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“Chanoyu” trip.

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日本の歴史・奈良の歴史 その7 奈良に宿泊するということ

7 奈良に宿泊するということ

早朝、まだ日が昇る前に興福寺伽藍に身を置くとやがて東の山の端に光が差しどんどん広がって三笠山あたりから朝日が昇ってくる。

その光は境内に再建された中金堂の朱の柱を次第に染め、荘厳な景色を立ち上らせてくれる。

そしてその景色はおそらく1300年前に聖武天皇や光明皇后ら天平人も見た景色とほとんど変わらないものであることに気がつくと静かな感動のさざ波が心のうちに起こる。

その後人気のない境内を抜け春日大社を参拝し、さらに若草山の山裾沿いに今度は東大寺の境内に入り、三月堂を経て二月堂に進み、舞台から奈良の街を見下ろすことにはすっかり日は高く昇っているだろう。

これらの場所を早朝、まだ人気の少ない時間に逍遥できるのは奈良に宿泊してこそ、奈良の歴史と一体化できるのは、そこに泊まってこそ得られる無二の体験である。

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